9/29/2008

ショ、タイ、ケン☆後編


   点滴一本で心身リセット
されたかのような気分になり、
「よし、新しいことしてみよう!」
と調子に乗った僕は、
某スーパー内のマクドナルドに足を踏み入れた。

もちろん初めてのひとりマクド。
初心者は初心者らしく、
おとなしく月見バーガーを
選ぶのが筋だったのかもしれないけど、

なぜかその日は強気で 「メガマック・
バリューセット」をオーダーしてしまった。

……カロリーの暴力だった。

で、ここからが本当の「勝負」である。
トレイを持って席に向かうその歩み、
なぜか無意識に
ガニ股気味に なっていることに気づく。
メガマックの存在感がすごすぎて、
座った瞬間から
「これ、どう食べんの?」
と軽くパニック。  

包装をほどいて目に飛び込んできたのは、
まるでMen's Fuyukai (←あの雑誌の不愉快バージョン)
の表紙みたいな、
不自然なすじ盛り状態のバーガー。

どこから攻めたらいいのか わからない、
圧倒的ボリューム感。  

気合いで大きく 口を開けていざ!と挑んだら……
「ゴキッ」あごが鳴った。痛い。
……いや、本当にガクッと来た。
(※顎GACKT関節症、発症か?笑)

「こんな幅あるやつ、どうやって噛み切るのさ!?」
「唾液ってこんなに頼りない存在だったっけ?」

という問いかけが、脳内を高速でループする。

 そしてふと、つぶやく。
「ぁぁ……愛がほしい」(なぜかここで愛に飢える)

そう、マクドナルドには 「御手元」も「お箸」も、
もちろん「愛」もない。

手づかみで、バカっぽく
大口開けて攻略せねば ならないのがルールらしい。  

ガクガクするあごにひとまず休憩を入れ、
「なるようにしかなんねー」 という
人生スローガン的な 呪文を唱えて再挑戦。

カメレオンみたいに素早くがっつくも、
2度目は そううまくはいかず…
軽く恥じらいつつバーガーに
ディープな接吻を試みた瞬間、
メガマック、倒壊。

斜めに、静かに、無言で、崩れていった。

バンズからはみ出すパティは、
昭和のエロ本みたいな顔して
「ヘイ!バディー!」と主張してくるし、

なんか陽気な顔でレタスがこんにちはしてくるし、
そもそもスマートな食べ方が
もう不可能な構造になっていた。  

必死で解体しながら食べる様は、
もはや「本能」むき出し。

油とソースまみれの指でチーズをつまむ姿は、
自分でも泣きたくなるほど哀しかった。

……そして追い討ちをかけるのが、自意識。

「隣の席の人、見てないよね?」
「汚いと思われてないよね?」
「ていうか、今すぐワープして帰りたい」

そんな羞恥心と戦いながら、いい歳したおっさんが、
両手を乳幼児のようにベトベトにしながら完食。

……完食してしまった。
おいしさを楽しむ余裕なんて、ゼロ。
咀嚼していたというより、咬まれていた。

なんなら、味の抜けたチューインガムを
口に残してるような虚無感。

すべて食べ終えた瞬間、僕はまるで
逃げるように マクドナルドをあとにした。

… … そして、翌日。
妹に「昨日マクド行ってさ…」と話したら、

「え?あんなの、最初に
潰してから食べるのが基本だよ?」との返答。
パーンッと手を打って納得してしまった。

ああ、そうか。そういうことだったのか…。
っていうか、自分の頭の悪さと要領の悪さを再確認。

点滴で一瞬前向きになったところで、
この世界は、甘くはない。油断ならない。  

でも、なんか悔しいので、
今度こそ、妹のアドバイスを胸に、
「スマートなメガマック完食」を 目指して、
またチャレンジする予定。
(今度は、おしぼり2枚持参で)

そんなBAKA.な僕の、
ささやかな「ショ・タイ・ケン」でしたな…
ちいさな挑戦でも、まあまあ大きな学びだったね…

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9/24/2008

ツイッター


   世間の流行りものというのは、
頭ごなしに否定するのも
少々気恥ずかしく、かといって素直に
乗っかるのも癪にさわる。

まして、世間が「これだ」と
騒ぎ出した頃には、
たいていどこか枯れかけているものだ。

そんな理屈をこねながら、今さらのように
Twitterなるものに登録してみた。

童子のように無垢な心持ちとは
いかないまでも、まあ一度くらい、
流行りの波に足先を浸してみるのも悪くはない。

さて、どんなものか。

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9/22/2008

ショ、タイ、ケン☆前編


   去る金曜日に僕は会社を休ませてもらった。
最もすんなりとはいかなかった。
僕のような不器用な人間にも、
もう少し人間らしい感情の揺れと
いうものを汲み取ってもらえたら……
と、そう思ったりもするのだが、それはさておく。

このところの不景気で
ピリピリした空気のせいか、
社長(ていうかドン)に意味不明な
逆ギレをくらったときの
ことを思い出したら、
頭の中にガラスの破片が
ばら撒かれたみたいになって、
気持ち悪くなってきた。

うっ、とトイレに駆け込んで、
2〜3回吐いた。

でも何も食べてないから、
出てくるのは胃液ばっか。 

ちょっとだけ落ち着いたころ、
頭の中のガラス片も消えてて、
波のような吐き気も引いていた。

ただ、耳の奥がむず痒いというか、
ザワザワするというか。

誰かに話を聞いてもらいたかったけど、
聞いてくれる人なんていない。

……センセイくらいか。

そう思って、脳神経系の
クリニックに行くことにした。

診察室にて職場でのパワハラの件を、
結論急ぎ気味にバーッと話したら、
センセイはわりと即答でこう言った。

「おかしい、点滴」

……なんだそれ。

一瞬、えっ何が?って思ったけど、
たぶん僕のことを「おかしい」と
判断して「点滴」で処理するってことだろう。
つまりは、そういうことなんだろう。

でもまあ、多少なりとも
ヒューズ飛んでる自覚はあったし、

逆に「あ、やっぱそうっすか」
みたいな気持ちで、
ベッドに寝かされて、静脈に点滴。

冷たい液体が、スーッと腕に入っていく。
これが効いた。びっくりするほど。

体の疲れがすっと抜けたのは
もちろん、なんか前向きな
気持ちにすらなった。

点滴っていうか、
精神安定剤? 合法の?
とにかく、なんだか安心
できたのは事実だった。

薬液が落ち着いたころ、
久しく覚えていなかった
空腹感がやってきた。

そういや最近ずっと、
空腹とか眠いとかの
感覚もなかったもんな…。

そういう本能的な感覚さえ、
ここしばらくは
遠ざかっていた気がする。

時計を見ると、すでに
12時を25分ほど回っていた。

いつもだったら、
あのデパートの上の大衆食堂とか、
ご飯とキャベツと味噌汁が
無限におかわりできるトンカツ屋
あたりに行くんだけど、
今日はなんか違うことしたい気分だった。

中華そば屋も頭をよぎったが、
気分には合わなかった。

そんな時になぜか
「マクドナルド行ってみようかな」という
気持ちが湧いてきた。

実のところ、僕はマクドナルドや
モスバーガー、
ケンタッキーフライドチキンと
いった店には、生まれてこのかた、
自分の意志で入ったことがなかった。
 
妹が買ってきた
白身魚のフライバーガーを、
家で食べたことがある程度だ。

一人で注文し、一人でその場で食事を
するというのは、僕にとっては未知の経験だった。

でも、点滴のおかげなのか、
「仕事してるはずの時間に自由」
っていう解放感のおかげなのか、
今日はなんか、そういう
新しいことがしてみたかった。

「サナル学園のCMかよ…」と、
ひとりでツッコミ入れて、ひとりで笑った。

まあ、いつも通りの
こんな僕(バカ)です。
よろしく頼みま酢。

で、少しばかりの勇気を出して、
某大手スーパー内の
マクドナルドへ足を運ぶ。

ちょうど、月見バーガーが
出ている時期だったが、
僕はそれを選ばず、ボリュームの
ありそうなメガマックのバリューセットと
いうものを注文することにした。

(カロリーの暴力。でかいし重いし。笑)

こうして書くと、すんなり注文、そして喫食
できたように見えるが、
実際には戸惑いの連続だった。

初めての体験で、
店員さんにご迷惑をかけたかもしれない。

小さな「勝負」だった。
けれど、僕にとっては、
ひとつの「挑戦」でもあった。

――その続きは、

後編に譲ることにしよう。

(大げさ)

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