苦笑い?スタァ誕生
きょう 2月13日は、
「平民に苗字を名乗ることが義務づけられた日」
だという。
それでも僕は、自分の苗字に
いつまでも借り物めいた違和感がある。
サン付けでも、呼び捨てでも、
しっくり来ない。
遠くから当てられているような感じがする。
だったらいっそ──
名前さえあれば十分なんじゃないか。
庶民らしく、気楽に。
…と強がりつつ、
下の名前をまっすぐ呼び捨てにされると
くすぐったいほど嬉しい自分がいる。
この矛盾を飼いならすのは、なかなか骨が折れる。
*
思い出すのは、苗字がまだ
「その人らしさ」の中心じゃなかった頃。
「蔵ん前のおすずさん」
「山根のおもとさん」
名前のうしろに
小さな暮らしの風景が結びついていて、
呼べばそのまま人となりが立ち現れた。
あの呼び方には、
どこかあたたかな体温があった気がする。
そういえば僕、
おすずさんにも、おもとさんにも
ちょっとした憧れを抱いていた。
呼びかけるたび、
胸の奥が少しだけ騒いだものだ。
苗字がないほうが、
人と人が自然に近かった。
そんな記憶が、今日も名前の端で息をしている。
ラベル: 日記

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