まだ夜でもないのに── 恋の歌が、やけに沁みる時間がある
ナンシーとフランクの
「Somethin' Stupid」を久しぶりに流した。
やっぱり、どう聴いても美しい。
淡くて、無駄がなくて、文句のつけようがない。
なのに、その完璧さに触れた瞬間、
こちら側が少しだけ居心地悪くなる。
くたびれたTシャツ、スナック菓子、
乾ききらない洗濯物の匂い──
そんな夕暮れの部屋に、
「恋のひとこと」は似合っていない。
分かっていても、再生を止めないのは、
美しさへの憧れか、
そこに手が届かない自分への、
妙に乾いた諦めか。
ふたりの声が重なるたびに、
こちらの惨めさまで
一緒に混ざっていく気がする。
そして、それを悪くないと思う自分が、
案外いちばんどうしようもない。
ラベル: 好きな音楽

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