7/29/2025

あの日を最後に、映画館には行っていない──2012年7月29日


   今日、映画「ヘルタースケルター」を観てきた。

主演女優が体当たりで演じるシーンの数々は、
目をそらせば失礼な気もするし、じっと見つめるのも
気まずいような、そんな空気だった。

スクリーンに映し出される身体は、
鮮烈で、衝撃的で、どこか儚かった。
だけど不思議なことに、
どういう胸のカタチをしていたのか、
もう思い出せない。

たぶん、右隣に彼女がいたからだ。
ほんの少し近づきつつある関係。
映画の内容が濃ければ濃いほど、
その無言の距離に自分が揺れた。

昨日の安倍川の花火といい、今日の映画といい──
この二日間は、甘っちょろい言い方だけど、
ようやく自分も人並みになれた気がした。

明日からはまた、静かに、少し面倒で、
くたびれた日々に戻っていくと思う。
だけど、それもまた、いいのかもしれない。
この夏の二日間くらいは、
思い出にしても許される気がする。

◆2012年7月29日。
この日を最後に、映画館には一度も行っていない。
右隣の気まずさも、スクリーンの眩しさも、
そのまま夏に置き去りにしてきた。

ラベル:

頁のはじめへ