約2年ぶりの熱海来宮神社へ
来宮神社には、
伸びやかなリゾートワンピースを軽やかに着こなす、
陽気な女性がよく似合う空気がある。
だから、冴えない男こと私がひとりで訪れるには、
少しばかり度胸がいる。
長いまつ毛を伏せ、静かに佇む女性が似合う
京都・大原三千院とは対照的に、
ここ来宮神社は、開放的で明るい。
京都市左京区大原、静岡県熱海市、どちらの場にも私のような者は、
少しばかり、いや、かなりの場違いかもしれない。今回は流行りの「映え」を狙う写真撮影が目的ではない。
二年前に授かった「酒難除守」を
返納するために訪れたのだ。熱海は相変わらず坂道だらけ。
柔軟性に乏しい(脳も身体も)私は、
アキレス腱を伸ばすたびに小さく悲鳴をあげる。思えば前回は、アキレスに加えて
肝臓までもが悲鳴を上げていた。
限度を超えた泥酔の果て、
前のめりに転倒して顔面をアスファルトに叩きつけ、
血だらけの顔になった。
まったく懲りない面(ツラ)だった。
だからこそ、あのときはかなり縋る思いで
神に願ったのだ。
いま、毎日がほぼ休肝日。
そして「KISS」の方も——
道路はもちろん、女性の頬や
瞼の上でも、相変わらずご無沙汰だ。
それでも、あの切なる願いはきっと叶ったのだと思う。境内の大楠の前で、初めて「こと葉みくじ」を引いた。
手元に残ったのは「千思万考」という言葉と、
小さな木製のハート。階段を登るたびに息切れするこの心臓には、
安全確認と、もしかすると
常備薬としての「救心」が必要かもしれない。けれど、その小さなハートを手のひらに包んだ瞬間、
鼓動が少しだけ落ち着いた気がした。長い年月を経て育った大楠の静けさが、
私の内側にもそっと流れ込んできたようだった。▼追記、このあたりには、「ほのか」という
名前の店や看板がやけに多い。
柔らかくて、どこか人を安心させる響きだ。
なるほど——この土地の空気にも、
そんなほのかさが漂っている。
ラベル: お散歩写真機













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