たい焼き食べる?──もう店は閉まったけれど
「たい焼き食べる?」
「サイショどこから食べる?」
「う〜ん……シッポから…笑」
「イッショ」
──そんな、どうでもいいはずの会話の端っこが、
今となっては妙に愛おしい思い出として、
胸のどこかに貼りついている。
当時、親しくしていた女性との散歩の折、
静岡市葵区川越町の 梅田屋商店 で、
あんこぎっしりのたい焼きを二つ、
まるで合言葉みたいに買ったものだった。
あれから○○年──
つい先日、ひょんな用事のついでに、
久しぶりにその私が勝手に下町と呼んでいる界隈を
ひとり歩いてみたところ、
知ってしまったのだ。
この店、廃業していた。しっぽからたいやきを食べる人間というのは、
心理テストによれば、
romanticな妄想が過敏で、
愛しさと一途さ、そして純情が
もれなく過剰気味らしい。
──ああ、なるほど。
当時の私は、思い当たるふししかない。
「ハヤクニンゲンニナリタイ…」
「ハヤクホカノダンセイトオナジ
アタリマエノニンゲンニナリタイ…」
そんな切ない願望と焦りをこじらせて、
常連というより「常習犯」と呼んだほうが
しっくりくる失態ばかり重ねていた。最近の私は、鏡を前に、
自分を客観的に観察する訓練をしている。
恋は盲目ではないが、
不器用に終わった福笑いの失敗作のような顔──
パーツの距離感を誤り続けた、
いかにもブサイクな私の顔を
ウィンクではなく、しっかり両目で見すえて。
そのたびに思うのだ。
「身の程を知る」
ようやく、その謙虚さだけは身についたらしい。
瞳の奥も、唇も、
濡らすことを忘れた「ときめき」という感情は、
今回、まるでシャッターのように
固く閉ざされたままだった。
あのたい焼き屋と同じように──
静かに、しかし確かに、
閉店・廃業 してしまったのである。
「サイショどこから食べる?」
「う〜ん……シッポから…笑」
「イッショ」
──そんな、どうでもいいはずの会話の端っこが、
今となっては妙に愛おしい思い出として、
胸のどこかに貼りついている。
当時、親しくしていた女性との散歩の折、
静岡市葵区川越町の 梅田屋商店 で、
あんこぎっしりのたい焼きを二つ、
まるで合言葉みたいに買ったものだった。
あれから○○年──
つい先日、ひょんな用事のついでに、
久しぶりにその私が勝手に下町と呼んでいる界隈を
ひとり歩いてみたところ、
知ってしまったのだ。
この店、廃業していた。しっぽからたいやきを食べる人間というのは、
心理テストによれば、
romanticな妄想が過敏で、
愛しさと一途さ、そして純情が
もれなく過剰気味らしい。
──ああ、なるほど。
当時の私は、思い当たるふししかない。
「ハヤクニンゲンニナリタイ…」
「ハヤクホカノダンセイトオナジ
アタリマエノニンゲンニナリタイ…」
そんな切ない願望と焦りをこじらせて、
常連というより「常習犯」と呼んだほうが
しっくりくる失態ばかり重ねていた。最近の私は、鏡を前に、
自分を客観的に観察する訓練をしている。
恋は盲目ではないが、
不器用に終わった福笑いの失敗作のような顔──
パーツの距離感を誤り続けた、
いかにもブサイクな私の顔を
ウィンクではなく、しっかり両目で見すえて。
そのたびに思うのだ。
「身の程を知る」
ようやく、その謙虚さだけは身についたらしい。
瞳の奥も、唇も、
濡らすことを忘れた「ときめき」という感情は、
今回、まるでシャッターのように
固く閉ざされたままだった。
あのたい焼き屋と同じように──
静かに、しかし確かに、
閉店・廃業 してしまったのである。
ラベル: お散歩写真機



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