1/26/2025

酒場の片隅、ひとときの残響


   先日、カラオケフリーのキャバクラで、
ふと声を出してみた。

ピーターのあの曲を歌ったら、
隣の席の男に「うまいねえ」と言われた。
気のいい声だった。
年齢は、たぶん似たようなものだ。

歌をほめられるなんて、
ずいぶん久しぶりだと思った。

国鉄関係の人たちが集まる、
小さな酒場の並ぶ横丁があった。
あそこも、カラオケは無料だった。

美川憲一の「さそり座の女」を歌うと、
声や身振りが似ていると笑われた。
店の女の人まで一緒になって……。

オヒネリが飛んできた。
あれを、モテ期と呼ぶには、
少しみすぼらしい気もするが、
悪くない夜だった。

その晩、最後に入れた曲が──
「夜と朝のあいだに」だった。

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