伊勢丹、痩せたん?
駿府城公園のプラタナス。
この木の魅力は、葉よりも、
むしろ樹皮にあると思っている。
斑に剥がれ、まだらに露出しているあの感じ。
何かを隠そうとして、結局、全部見えてしまっている。
風に揺れるときだけ、少し若返る。
昔、古いアルバムを見たことがある。
几帳面に写真が貼られ、
短い文章が添えられていた。
丁寧すぎて、少し距離の取りづらい言葉たち。
ああいう感じは、
たぶん自分の中にも残っている。
期待しないふりをしながら、
やたらと感傷的なところ。
年末年始になると、
街や過去に向かって、
どうでもいい独り言を投げたくなる。
「人類の天敵は、実は蛇だったらしい」
「怖いのは、毒よりも、
あの過剰な模様なのかもしれない」
「年が改まると、
関係の薄くなった人の名前が
ふと頭に浮かぶ」
「何も起きていないのに、
何かを待っている気分だけが残る」
「便利さは、
人の輪郭を少しずつ薄くしていく」
「贅沢は、
敵でも味方でもなく、
ただそこにある」
「富士山の白い部分は、
毎年、少しずつ形を変える」
「伊勢丹……
痩せたん?」
街は答えない。
けれど、確実に変わっている。
どうでもいいことばかり書いているつもりで、
本当は、どうでもよくない変化だけを、
見逃さないようにしているのかもしれない。
ラベル: 日記


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