12/01/2024

愛のライオン像と、「出会い」の銅像──青葉シンボルロードにて

 静かな曲が、
ふと胸のどこかをくすぐる瞬間があります。
ザ・タイガースの「星のプリンス」
なんて、その最たるものかもしれません。
甘さが過ぎる、と言えばそうかもしれない。
でも、このやたらと世知辛い世界には、

このくらいの砂糖菓子がちょうどいいのだと思います。
「銀河のロマンス」もまた、同じ匂いをまとっている。

──さて、2024年11月22日。
今年も青葉シンボルロードに、冬の光が戻ってきました。
透明で、すこし冷たい。
メゾソプラノの声が夜に滲むような、細い光の波。

正直に言えば、イルミネーションや
夜景はあまり得意ではありません。
冬の空の透明さが、
そのまま心細さの形になってしまうから。
それでも、写真にすれば妙に映えるから不思議です。

昔なら、こういう場所には当然のように隣に女性がいる──
そんなまともな大人を演じていた時期も
ありましたが、今年はひとりで歩いてみました。
ハートがあちらこちらに散らばっていて、
どこか笑ってしまう。
私の心は、そこまで傷んでもいないし、
かといって満たされているわけでもない。
そんな、ほどよい中間地点にいます。
週末のせいか、カメラを構える人影が多い。
デジタルの時代は気が楽です。
枚数も気にせずに撮れるし、
夜でも設定ひとつでどうにでもなる。
昔みたいに、感度を間違えて
「ああ、やっちまった」と呟くこともない。
今回は明るい単焦点レンズをつけて歩きました。
結果的には、それが正解でした。
いろいろ撮った中で、心に残ったのは三枚だけ──
結局、こういう余韻の残るものだけを選んでしまう。
(愛のライオン像)
(出会いその1)
(出会いその2)
「出会い」という名の、
ふくよかな男性二人の銅像は
新しい部類ですが、
「愛のライオン像」は、
たぶん五十年以上、この場所にいるはずです。

周囲はすっかり姿を変えたのに、彼だけは変わらない。
今年もまた会えたことが、素直にうれしい。
──そして、この光の道を歩いていると、
どうしても思い出す場面があります。

27年前、この場所には、
地下へ降りる小さな店がありました。
階段の上に置かれたパイプ椅子に、
年老いた女性が腰掛けていて、
彼女がそこにいるときだけ、その階下の扉が開く。

私たち若い男二人は、彼女に声をかけ、
案内されるようにして地下へ降りたものです。
(何の店だったかは、ここでは語らずにおきます)

上の階には、300円のラーメン屋があって、
用が済むと、そこでたわいもない反省会をして帰った。
あのラーメンの湯気だけが、
やけに明るかったことを覚えています。

今では、その地下の店も、ラーメン屋も消えてしまった。
建物だけが、かろうじて昔の姿を残しているだけです。

それでも、こうして時々ひとりで歩くと、
あの頃の空気だけが、
街のどこかでまだ息をしている気がするのです。

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