泡だけが会話していた夜
昨晩、知り合いの若い子と飲みに出た。
「ホッピーって何?」と訊かれて、
ああ、これは説明コースだなと観念した。
こっちは昔からのホッピー派である。
理由は単純で、ビールより安いからだ。
ただ、最近の若い層には
「プリン体ゼロ」とか「糖質控えめ」なんて
健康っぽい宣伝のほうが耳に入りやすいらしい。
そこで、ホッピーのナカ──焼酎25%。
私はいつものキンミヤ──をグラスに注いで、
あえて仕上げの工程を彼女に任せてみた。
「初めてやる」と言いながら、案外楽しそうだった。
瓶を軽く振って、泡を立てる。
居酒屋のカウンターで、
こちらが長年ひとりでやってきた動作を、
少しだけ分けてみせただけだ。
ロマンでも何でもない。
ただ、この場所にそぐわない清潔な女性が、
ホッピーを注いでいる──
その場違いさが、どこか可笑しかっただけだ。
世代も価値観も、生活のリズムも、
私とはまるで違う。
脂と煙と昭和の残り香が漂う大衆酒場に、
彼女が馴染むとは思っていない。
それでも、ちょっとした経験談にはなるだろうし、
こういう似合わなさを軽く成立させるのも、
長く酒場に通った人間の、
ささやかな芸のひとつなのだと思う。
「ホッピーって何?」と訊かれて、
ああ、これは説明コースだなと観念した。
こっちは昔からのホッピー派である。
理由は単純で、ビールより安いからだ。
ただ、最近の若い層には
「プリン体ゼロ」とか「糖質控えめ」なんて
健康っぽい宣伝のほうが耳に入りやすいらしい。
そこで、ホッピーのナカ──焼酎25%。
私はいつものキンミヤ──をグラスに注いで、
あえて仕上げの工程を彼女に任せてみた。
「初めてやる」と言いながら、案外楽しそうだった。
瓶を軽く振って、泡を立てる。
居酒屋のカウンターで、
こちらが長年ひとりでやってきた動作を、
少しだけ分けてみせただけだ。
ロマンでも何でもない。
ただ、この場所にそぐわない清潔な女性が、
ホッピーを注いでいる──
その場違いさが、どこか可笑しかっただけだ。
世代も価値観も、生活のリズムも、
私とはまるで違う。
脂と煙と昭和の残り香が漂う大衆酒場に、
彼女が馴染むとは思っていない。
それでも、ちょっとした経験談にはなるだろうし、
こういう似合わなさを軽く成立させるのも、
長く酒場に通った人間の、
ささやかな芸のひとつなのだと思う。
ラベル: 長い文章

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