最近やたらと
最近、やたらと目に入ってくる。
インターネットでお金が儲かる、という話だ。
月に十万だの、二十万だの。
数字だけはやけに景気がいい。
生きると決めてしまった以上、金が必要なのは事実だから、
こちらも一応、覗いてはみる。
ただ、そのたびに首をかしげることになる。
どうやったら、そこまでの額になるのか。
肝心なところが、どこにも書かれていない。
見出しだけが先に立ち、
本文は霧の中に置き去りにされている。
思い返すと、自分が今で言うところの
ポイ活を使い始めたのは、
二〇〇五年頃だったと思う。
「ポイ活」などという言葉はまだなく、
それでも似たようなポイントサイトは、
すでにいくつもあった。
今回目にした稼げる方法の中に、
当時からある名前が、今も平然と並んでいる。
ひと月で十万、二十万。
あの仕組みで?
正直に言えば、不思議だった。
いや、不思議というより、どうにも腑に落ちない。
他にもいくつか調べてみたが、印象は変わらなかった。
方法はぼかされ、手順は語られない。
その代わり、ページの下のほうには、
紹介リンクだけが抜け目なく用意されている。
なるほど、と思う。
閲覧数とクリック数で、
書いている側は十分に“回収”できるのだろう。
それにしても、
今のインターネットはずいぶんと
「お金」や「稼ぐ」という言葉を、
ためらいなく口にする場所になった。
自分がネットを始めた頃は、
もう少し、照れのようなものがあった気がする。
昔、雑誌のインタビューで、
あるネットの先人が
「インターネットで金の話ばかりする人間に、
ろくなのはいない」
と語っていたのを覚えている。
乱暴な言い方ではあるが、
今になっても、妙に納得してしまうところがある。
動画サイトを眺めていても、
「よかったらフォローしてください」
「いいね、チャンネル登録お願いします」
という言葉が、当たり前のように流れてくる。
ホームページを更新したから見に来てほしい、
と声高に言うのも、どこか気恥ずかしい。
たぶん、自分が古い人間なのだ。
謙虚であれ、という感覚が、
体のどこかに染みついたまま、剥がれない。
だから、自己アピールが前に出過ぎた振る舞いを見ると、
つい一歩、距離を取ってしまう。
YouTubeにも、興味本位で少し触れてはみた。
動画編集というものを体験した、という程度だ。
感想を言うなら、
とにかくパソコン作業が面倒くさい。
腰にも、あまり良くなさそうな気がした。
この分野では、
おそらく自分は最後まで素人のままだろう。
それで困ることも、後悔することも、
たぶん、ない。
稼ぐ話が悪いわけではない。
ただ、そればかりが前に出てくる場所では、
自分は長く腰を落ち着けていられない。
それだけのことだ。
ラベル: 長い文章

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