11/22/2021

夕暮れの牧場にて — 袋井・デンマーク牧場


   西へ向かう気ままなドライブの途中、
ふと思い立って袋井市のデンマーク牧場へ立ち寄った。

訪れるのは三度目になる。
入場無料という気軽さもあって、
こちらの身構えがほどよく抜ける場所だ。
日々の疲れに加え、
コロナワクチンの副反応で体調を崩していた。
今日はただ、動物たちのいる
穏やかな時間に身を置きたかった。

駐車場に車を停め、ゆるやかな坂道を上る。
最初に目に入ったのは、飼葉を噛んでいる牛だった。
久しぶりにカメラを構える。
長く撮影から離れていたせいか、
感覚は思った以上に鈍っている。

それでも、夕暮れの牧場の空気と、
草を噛む音を刻むような
動物たちのゆったりしたリズムが、
次第にこちらの呼吸を整えてくれた。

売店の前で、「そろそろ閉店です」と声をかけられる。
それでも、ジャージー牛乳だけはきちんといただいた。

不思議なことに、市販の牛乳ではすぐお腹を壊す自分が、
ここの牛乳では平気なのだ。
冷たく、濃い味わいが、喉をまっすぐに通っていく。
ふと視線を戻すと、牛がこちらを向いていた。
思わずシャッターを切る。
 
そのあと、山羊や羊たちにも軽く挨拶をして、
夕暮れの牧場を後にした。

滞在はほんのわずかな時間だったが、
動物たちの穏やかな気配に包まれ、
心に乗っていた重りが、
少しだけ軽くなった気がした。

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