9/21/2021

E-P7と都市の断片──素人の手に宿る光


   オリンパスのPEN E-P7を手にして、三ヶ月が過ぎた。
持ち歩く時間が増えるにつれ、細かな不満も見えてくる。
だが、それらはこのカメラとの関係を
疑うほどのものではない。
軽さと、気負わなさ。
この二つがあるだけで、
E-P7は十分に役目を果たしている。

写真のことを語れるほどの知識はない。
露出も構図も、ほとんどはカメラ任せだ。
それでも街を歩き、ふと足を止めてシャッターを切る。

その一瞬に、あとから意味が追いついてくることがある。

いまだに、ファインダー付きのPEN-Fを
思い出すことはある。
覗いて撮る、という行為への憧れも残っている。
だが、E-P7ひとつすら持て余している身だ。
今はただ、手の中の道具に慣れることのほうが先だろう。

最初に撮ったのは、静岡の繁華街に立つ
ドン・キホーテだった。
夜の光と、雑多な色が入り混じる場所。
特別な被写体ではない。ただ、そこにあった。

次に向けたレンズは、あみ焼き弁当。
牛よりも豚のほうが舌に合う。
それ以上の理由はない。
深夜の一蘭。
決して好物というわけではない。
だが、街に長く留まったあと、あの灯りに
救われる夜もある。
量のわりに値は張る。
替え玉を頼まなければ、どこか物足りない。
そんな感覚ごと、写していたのだと思う。

これらは、二〇二一年七月の記録。
コロナの制限が一時、緩んだ頃。街はまだ、どこか慎重で、
それでも少しだけ自由だった。

振り返れば、写真はどれも浅い。
考え抜かれた一枚ではない。
だが、それらは確かに、その時の街と、
立ち止まった自分の位置を写している。
 
スナップ写真は、本当はもっと学ぶべきものなのだろう。
それでも今は、素人の手に宿る、かすかな光を信じている。

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