立秋ショボクレ日記──湿った午後にて
すでに立秋だというのに、街には
まだ湿った夏が居座っている。
ほんのわずか──指先ほどの差だけれど、
風の手触りが少しやわらいだ気がした。
役に立つわけでもない感覚なのに、季節がふっと
呼吸を変えるその瞬間だけは捉えられる。
アジア・モンスーンの湿気は、昨日よりいくらかましだ。
とはいえ、西日本では今日も酷暑らしい。
湿度さえ低ければ、白い日差しと青い空、
濃い輪郭の入道雲──
子供の頃の夏の景色を、サングラス越しにもう少し
軽い気持ちで眺められたのだろう。
昨日の勉強会は、かなり堪えた。
履歴書と職務経歴書の書き方を三時間。学べば学ぶほど、
企業が求める特技なんて、自分には
何ひとつ備わっていないのだと突きつけられる。
採用のコツを聞くたびに、社会のどこかが小さく
「お前の席はない」
と告げているようで、いやな後味だけが残った。
今日から十六日まではお盆休み。
休暇に入る人たちの流れにまぎれて昼の街を歩ける。
無職という正体を照らす光が少し弱まる──
それだけで、今の僕には十分な救いだ。
昨日に続いて今日も酒はやめた。
飲めば翌日、自分をさらに追い込むのがわかっている。午後。ラジオからクレージーの「ショボクレ人生」
が流れた。
笑い飛ばせる気分でもなく、むしろ自分の影を
薄く写し返されるようで、旋律がしつこく
耳にまとわりつく。
季節も、人も、街も、それぞれどこかで
ショボクレた調べを響かせている。
今日の僕も、その一節の片隅にそっと紛れ込んでいる
気がした。
ラベル: 好きな音楽

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