指先の祭りと、気泡の哲学
iPhone6が届いた。
街の熱狂とは無関係に、
ソフトバンクオンラインショップから、
静かに、確実に。
ショップの前に並ぶ気にはなれなかった。
そのかわり、僕は自宅で待った。
Tモール経由で予約すれば、
Tポイントが1,000円分もらえる。
たぶん、それくらいの理由で、
僕は祭りを傍観する側に回った。
SIMロック?
かかっていても構わない。
自由よりも、
整えるほうに興味があった。
フィルム、ケース、背面のウレタン。
気泡は盛大に入り込んだ。
ケースで隠れるなら、まあいい。
そう思っていたはずなのに、
裸のままケースを装着するのは、
どうしても落ち着かなかった。
だから貼った。
ウレタンを。
気泡も、そのまま。Apple純正のレザーケース。
内側はマイクロファイバーで、
守られている、と箱には書いてあった。
それでも、僕は守りたかった。
背面を。
そして、たぶん自分自身を。
画面は4.7インチ。
少し大きくなり、
そのぶん薄くなった。
男の僕でも片手で持てる。
指先で操作できる。
この軽やかさは、
祭りの喧騒とは相性が悪い。
機種変更には、金がかかる。
フィルムとケースで、
ざっと1万円。
バカだな、と思いながら、
それでも僕は整えた。
整えることで、
祭りから距離を取った。
そうして、
僕は僕でいられた。
ラベル: 長い文章





