9/02/2013

美意識過剰


   趣味上、女性の写真はそれなりに見てきた。
露骨なものも、そうでないものも。
正直なところ、もう驚くことはあまりない。

それでも、ときどき、
理由の説明できない引っかかりが残ることがある。

ありきたりな言い方をすれば、
「魂を奪われた」というやつだ。
そう表現するしかない自分に、
少しだけ苦笑いする。

唇を半開きにしている女性に、
なぜか視線を持っていかれる。
それが欲情なのか、美意識なのか、
自分でも判別がつかない。

もし言葉を交わせる場面があったとしても、
唇のことは口にしないだろう。
代わりに、骨格だとか、
肩の線だとか、
どうでもよさそうな部分を褒める気がする。

そういう遠回りの仕方しか、
自分は知らない。

もちろん、
そんな相手に出会う可能性は低い。
低いどころか、
最初から想定していないほうが現実的だ。

それでも、
こうして一度、言葉にしておかないと、
自分の中のどこかが落ち着かない。
美意識過剰というより、
過剰なのは、たぶん自意識のほうだ。

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