1/11/2013

指先の都市計画──Apex Launcher


   彼は、今日もAndroidの
ホーム画面を眺めている。
それは単なる操作というより、
都市の余白を歩き回るような時間だ。

Apex Launcherという
小さなツールを手に入れてから、
指先は配置と秩序に、
以前よりも意識を向けるようになった。

アイコンを並べ替え、
必要なアプリだけを呼び出す。
背景には、目立たない壁面の写真を選ぶ。

既製品の美学に逆らう、
というほど大げさな話ではない。
ただ、自分にとって落ち着く構造を、
静かに整えていくだけだ。

そこには広告も通知もない。
あるのは、選び取られた配置と、
意図的に残された余白だけ。

「楽しくて、しょうがない」
そう言って、少し照れたように笑う。

彼にとってカスタマイズは、暇つぶしではない。
関係性や即時性に引き寄せられすぎないための、
ひとつの距離の取り方だ。Apex Launcherは、
その感覚を支えるための、ただの道具にすぎない。

今日もまた、誰にも気づかれない画面の上で、
小さな秩序が更新されていく。

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