12/17/2012

賢い女性ほど、心を遣う男を選ぶ


   無害そうに見えて、実は厄介なものがある。
声を荒らげない偏見ほど、扱いに困る。

外回りの車内で、ラジオを流していた。
街の雑踏に溶けるような調子で、語りは続く。
その中に、夜の仕事をする女性に向けた、
何気ない言葉が混じった。

強い調子ではなかった。
だからこそ、引っかかった。
軽口のようでいて、切っ先だけは鋭い。
偏見というのは、だいたいそういう顔をしている。

「そういう人たちが多いから仕方ない」
世の中には、便利な言い回しがある。
説明にも、免罪符にもなる。

誰もが参加できる場所では、
誰もが誰かを値踏みしている。
裁く側と裁かれる側は、日替わりで入れ替わる。
騙すとか、騙されるとか。
愛ですら、いつの間にか取引の言葉で語られる。

そんな話の流れの中で、
ある女性が、淡々と言った。
金ではない。
心を遣ってくれる男に惹かれるのだ、と。

意外でも、感動的でもなかった。
むしろ、当たり前すぎて、少し安心した。

賢い女性ほど、
条件よりも、態度を見る。
肩書きよりも、言葉の使い方を見る。

大げさな優しさではない。
沈黙の扱い方や、距離の取り方。
そういう細部に、目が行く。

その事実に、声高な結論は要らない。
ただ一票を、心の中で入れるだけでいい。

賢い女性ほど、
金ではなく、
心を遣う男を、選ぶ。

それだけの話だ。

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