12/06/2012

永久縛りはやだな


   眠れない夜に、理由を探すほど真面目ではない。
身体は横になっているが、頭はまだ立っている。

スマートフォンが光っている。
用事はない。ただ、光がある。

SNSには言葉が流れている。
主張でも告白でもない。呼吸に近い短文。

僕も、いくつか打つ。

電話で会話は苦手。ケータイのリアル着信は面倒だ。
パソコンに送ってほしい。

5分以内の返信を求める人は、少し落ち着いたほうがいい。

間髪入れない連続着信には、居留守を使う。

どれも強い言葉だが、攻撃したいわけではない。
距離を測っているだけだ。

自由でいたい。本気で。
期間限定ならいい。2年縛りなら我慢する。
永久縛りは、やだな。

冗談の体裁だが、繰り返している時点で、わりと本音だ。

モテたことはない。その代わり、腰痛と肩凝りは現役。
気まずいのは苦手だ。

だからパチンコ。ただし元手なし。

画面に並んだ自分の言葉を見て、少しだけ笑う。
よくできた文章ではない。だが、嘘もない。

自由でいるというのは、完全に一人でいることとは違う。
縛られたくないが、消えていたくもない。

愛されたい、とは思っていない。
ただ、存在がゼロになるのは、少し困る。

白い画面を見すぎて、目の奥が重い。
老眼とか、白内障とか、現実的な単語が浮かぶ。

それでも、結論は変わらない。
永久縛りは、やだな。

スマートフォンを伏せる。
この夜に意味はない。だが、無意味でも構わない。

それで、今のところは足りている。

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