9/29/2012

萌えって、なんだろう


   画面に二人の女性が映っている。
右側が人気らしい、と聞いた。

けれど正直に言えば、
どちらにも、あまり心は動かない。

好みの問題というより、
そもそも、これは絵なのだ、と思ってしまうからだ。

線と色でできたイラストに、
感情が一直線につながる感じが、
どうにも早すぎる。

「萌える」という言葉が悪いわけじゃない。
ただ、そこに至るまでの助走が、
きれいに省かれているように見える。

想像力というより、便利な近道に近い。
現実に触れるとき、
こちらの調子が整っていないと、
すぐに疲れてしまう。

期待したぶんだけ、
肩透かしもはっきり残る。

最近の人付き合いは、
距離がやけに近いか、
あるいは、最初から値札が付いているか、
どちらかに感じることが多い。

愛想が香水みたいに強すぎて、
息をする前に、少し酔ってしまう。

だから僕は、
絵にも、現実にも、
半歩ほど引いたところで立ち止まっている。

萌えないことを誇る気はないし、
分かり合えないと決めつけるつもりもない。

ただ、
遠回りする余地のある感情のほうが、
今の自分には合っている気がするだけだ。

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