逃げても、既読──LINEと国境を越えた好意の話
今日、LINEのアカウントを
また新しく作り直した。
二十三日前に削除したばかりのものを、
こっそりと、である。
目的はひとつだけ。
誰かの好意から、少し距離を置くため。
だが、逃げ切れなかった。
「おかえり~」
そんなメッセージが、あっさり届いた。
どうやら、相手のアドレス帳には
僕の連絡先が、まだ残っていたらしい。
削除されていないという事実は、
ありがたいことなのか、
それとも、逃げ場のない引力なのか。
このあたりの感情は、
都市の雑踏のように、整理がつかない。
それにしても、なぜか僕は、
好意を向けられる側に立ってしまうことがある。
不細工で、冴えなくて、
特別な何かを持っているわけでもないのに。
縁というものは、
こちらの都合などお構いなしにやってきて、
ときどき、距離の感覚を軽々と飛び越える。
できれば、
もっと静かな距離感で、
誰かと繋がっていたい。
だが、人生は思い通りにはいかない。
それを実感できるようになった時点で、
もう十分にオトナなのだろう。
逃げても、既読。
消しても、記憶は残る。
アカウントを消しても、
縁までは消えてくれない。
それが、
現代の孤独とつながりの、
少し厄介なかたちなのかもしれない。
ラベル: 日記

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