成人式
テレビで、新成人の映像を見た。
晴れ着とスーツの群れが、街のどこかで笑っている。
二十歳なら、少し寝なくても動ける体がある。
そんな当たり前のことを、ぼんやり思った。
自分が二十歳だった頃の記憶。
成人式には出ていない。
なんせ友達がいなかったから。
会場に一人でいて何になる。
外に向けて言葉を出す場所はなかった。
ノートに鉛筆で、走り書きをするしかなかった。
誰かに読まれることは、想定していなかった。
二十歳は、息苦しかった。
周囲は、再会の勢いのまま、
週末まで満たされていくのだろう、と
無駄に想像して、
勝手に自分を追い込んでいた。
それだけは、はっきり覚えている。
いまは、犬といる時間がいちばん楽だ。
神経がほどける。
それは卑屈なことではない、と自分では思っている。
これは、嘘ではない。
ラベル: 日記

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