10/24/2011

プッシュされない夜――auのiPhone4S

「絵文字入りのメールは、
今まで通り、そちらに送ってください」

そんな一文を書かなければならない時点で、
もう、少し疲れていた。

auのiPhone4Sを使い始めて、
メールが来ない夜が続いた。
待っても、鳴らない。
画面は静かなままだ。

設定を変えた。
しばらくすると、電池が減っていった。
目に見えて、減る。
なにかを間違えている気がした。

調べて、直して、
また少し違う。
今度は届くけれど、
言葉の端が壊れている。

絵文字が、
意味を失っていた。

そのうち、
もう一台のiPhoneに頼ることになった。
ポケットが重くなる。
正しいのかどうかは、
考えないことにした。

夜になって、
ようやく一息ついたころには、
最初の高揚はどこにも残っていなかった。

もう少し待てばよかった、
という考えが浮かんで、
すぐに消えた。

ふと、昔のメールは、
こういうものだったな、とも思う。

新しいものは、
だいたい最初に、
こういう夜を連れてくる。

あれこれ整う前に、
こちらの気力のほうが先に切れる。

今日はもう、いい。
画面を伏せて、
そのまま眠ることにした。

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