8/07/2011

ステーキガストは、少しだけ素敵だった


   浜当目でも、安倍川のフナヤマでもいいから、
とにかくBBQに連れていってほしいと言われた。

気は進まない。
肉は苦手だし、
紫外線も好きじゃない。

けれど、
こういう誘いを断り続けた先に、
明るい未来があるとも思えなかった。

肉が苦手なくせに、
ステーキガストに行った。
最近、知り合った年下の女の子と一緒だった。

四時間、話した。
店を出たあとの田舎道では、
ママチャリで並走した。
笑い声が、
昼の名残のまま、
静かに遠ざかっていった。

男子校だった高校時代には、
縁のなかった時間だ。

夜遊びは、もういい。
昼のほうが、
ずっと誠実だ。
そう思った、
はずだった。

彼女と別れたあと、
結局ひとりで繁華街を歩き、
年の離れたホステスと
どうでもいい話を続けていた。

紙幣が減り、
何も残らなかった。

それでも、
あの昼のステーキガストは、
少しだけ素敵だった。

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