あの冬、レンズの向こうに
さっき、価格.comを覗いてみたら、
一年前に買ったPanasonicのGF1が、
ボディ単体で24,800円になっていました。
20mm/F1.7のパンケーキレンズ付きでも、
Amazonで37,000円ほど。
思わず「もう一台、予備に」と考えてしまうくらいの値です。
静止画に少しノイズが出るのも、今となっては味に見えてくる。
後継のGF2も出ているけれど、不思議と惹かれないままです。
あれはちょうど一年前の帰り道。
仕事終わりに立ち寄った店のショーケースの中で、
そのカメラと目が合いました。
──そう言うと大げさだけれど、
その小さなボディに、なぜか心を引かれたのを覚えています。
パンケーキレンズ付きのセットをそのまま購入して、
家に帰った夜は、翌日の休日が待ち遠しくて仕方なかった。
そして迎えたその日。
一番最初にシャッターを切ったのは、実家の飼い犬でした。お風呂あがりの、少し気の抜けたような顔。
けれど、その目の奥に、どこか陰がありました。
今見返すと、あれが
最後の風呂上がりの一枚になるなんて
思ってもみませんでした。
もっとたくさん撮っておけばよかった。
ようやくカメラに慣れ始めたばかりだったのに。
数週間後、彼は静かに旅立ちました。
写真の中の舌が、どこか白く見えたのを覚えています。
あのとき、それが何かを訴えていたのだと気づくのは、
ずっと後のことでした。
犬の健康は、舌の色にも現れるといいます。
もし、少しでも気になる色なら、獣医さんに見てもらうのがいい。
最近は、町を歩いてもペットショップを覗いても、
洋犬ばかりが目につきます。
そのたびに、あの冬の日の白い毛並みを思い出します。
──そんなことを、さっき思い出していました。
ラベル: 長い文章





