裸の王様
現実の住まいを、少し街寄りに移した。
繁華街が近いというだけで、
気分の底がわずかに軽くなる。
気のせいだろう。
だが、気のせいもまた日々の支えになる。
今年は「人の集まる場所へ出ろ」と、
どこの占いも言う。
その言葉に背を押されるように、
先の土曜日、男三人で街へ出た。
色気も愛嬌もない顔ぶれだが、
不思議と息苦しさはない。
くだらない話を続けるうち、
なぜか僕の日記の話になり、
書き溜めたものを
読ませる流れになった。
読まれるのは恥ずかしい。
だが、読んでほしい。
その矛盾を受け入れられるのも、
この連中の前だからだ。
案の定、返ってきたのは
手厳しい言葉ばかりだった。
「痛い通り越して寒いな」
「誰も読んでねえだろ、これ」
「一人で裸踊りしてんじゃねーよ」
救いの言葉はひとつもない。
それでも不思議なことに、
傷つくでも、腹を立てるでもなく、
ただ笑い合って終わった。
男同士の関係は、雑で無遠慮だ。
相手の地雷を避けるような
気遣いはなく、その代わり、
余計な配慮に縛られることもない。
裸のまま笑われ、笑い返し、
それでもまた次の約束をして別れる。
それが、僕にとっての友情なのだ。
そして今日もきっと、
僕は誰にも気づかれぬまま、
裸のまま、街を歩いている。
ラベル: 日記

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