幸せは、気づけば今のなかに
夏が終わる。暦の上ではとっくに秋だけれど、
社会人になってからは
「お盆休みが終わった時点で夏も幕を閉じる」
──そんな感覚になっている。
それでも、8月31日という日は特別だ。
大晦日に匹敵するほど惜しい日。
まさに「ゆく夏くる秋」という感じがする。
今日の暑さはからりとしていて心地よかった。
外回りの車で聞いたラジオによれば、湿度は50%台。
汗をかいてもすっと引いていく。
そんな天気のせいか、心は逆に熱を帯び、
過去をやたらと振り返りたくなった。
ウェブに残っている過去二年分の
8月31日の日記を読み返す。
二年前は女々しい。
去年もまだどこか甘えている。
では今年はどうか。
……ほどほどに、よかったと言える。
京都旅行も楽しかった。けれど、
それを夏の最大の出来事にはしない。
今年は、日常のささやかな出来事に
「よかったなぁ」と思える比率を高めたい。
昨日の30日がその好例だ。
いつも見慣れた景色が不意に輝いて見えた。
夜から突発的な小さなイベントがあり、
その予告の連絡が入った午後三時の仕事の休憩
のひとときから、僕はずっとワクワクしていた。
「料理も、ひと工夫でこの美味さ」
そんなフレーズが浮かんだ。
工夫ひとつで日常は豊かになる。
そんなことに気づかされた、2006年8月31日。
明日から9月。日中はまだ蒸すだろうが、
夜が今日のようにからっとしていたら──
ひさしぶりに平日でも街へ出て、
一杯飲み屋に寄りたくなるかもしれない。
二年前の日記は女々しいとしか言いようがないが、
それでも積極的に出かけ、知らない人と意気投合し、
気分転換がうまかった気もする。
どて煮とホッピーの組み合わせが懐かしい。
あのときは、追い詰められていたからこそ
味わえたのかもしれない。
ラベル: 読みにくいアヒルの子執筆






